わくわく夫婦の嫁日記~ただいま世界一周中~

中学校教員夫婦から、世界一周夫婦になった嫁の旅行中の徒然日記

"義務"もいろいろ義務教育

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当たり前だけど、学制が違う

 ベトナムで、お子さんを持つ同年代の女性と話をする機会がありました。元職業柄、やっぱり気になってしまう教育のこと。特に、各国の義務教育については機会があれば思わず尋ねてしまいます。

 

 日本の義務教育が小学校6年、中学校3年に対し、ベトナムは小学校5年、中学校4年。区切りは違えど義務教育の期間は同じです。

 

 日本で生まれ育った身、6-3-3が当たり前で生きてきたので修学期間だけでも興味深いです。それぞれ手本にした国の違いなのでしょうが、それぞれの学制の根拠も気になってきます。

 

”義務”が果たせない世界

 彼女は日本に留学経験もあり、日本の教育についても熟知していて自国の義務教育についてこう語ってくれました。

 

 ”ベトナムの義務教育期間は日本と同じだけれど、教科書代は払わないといけない。昔はそれが当たり前だと思っていた。けれど、日本人と話をしていて、「義務教育なのに、教科書代を払わないといけないっておかしい。」と言われて、そう言われてみれば確かにそうだと思った。”

 

と。ベトナムに限らず、教科書代が捻出できず、(教育を受けている間の労働力が減るという理由も加わり)義務を果たせない家庭は世界中にたくさんあります。日本人からしてみれば、義務教育なんだから教科書はもらって当たり前。でも、ベトナムの人に取ったら教科書代は払うのが当たり前。

 

 所変われば、制度が違っていて当然で、その制度しか知らなければ、それがその人たちの”当たり前”になる。旅をしていると、”当たり前”とか”常識”なんて、実は限られた世界の中のとらわれに過ぎないということを思い知らされます。

 

ちなみに、フィリピンでは・・・

 ベトナムの話を聞くと、日本やるやんと思いますが、フィリピンでは義務教育にかかる費用は本当に完全無料だそう(公立の場合)。教科書はもちろん、給食、制服まですべて。

 

 ”日本では給食費未納問題とかあって、先生が回収しないといけないから大変なんだ”と言うと、”義務教育なのに、なんでお金がかかるの!”と驚かれました。ちなみに、教師にも制服があって、それも国から支給されるから無料らしいです。

 

 目下フィリピンの義務教育の課題は、先生1人当たりの生徒数が多すぎること。50~60人が普通だそう。それだけの生徒をいっぺんに担当しなさいと言われたら…。想像してめまいがしました。

 

”義務”というからには

 義務というからには、それを果たすことが難しくない状態が理想ではないでしょうか。けれど、国の状態によって、それが著しく困難な地域が存在しているのも事実。自国の状態は世界中を見渡した時、実は当たり前じゃないと知る人が増えれば増えるほど、義務の果たされる国や地域が増えるのではないかなと最近よく思います。